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世界歯科連盟の新白書が虫歯管理の包括的な手法を導入

[2016.09.07]

FDI世界歯科連盟は7日、Colgate(コルゲート)との虫歯予防提携の下で「虫歯の予防と管理」白書を発表した。この白書は口腔衛生専門家、政策立案者、一般市民の共同行動を通じて虫歯を予防、管理するための戦略の概略を説明している。
FDIの社長、パトリック・へスコット博士は「世界人口のほぼ半数(44%)が虫歯にかかっていながら治療を受けていないのに、多くの国ではこの増大する疾病の負担に対処するために実施されている計画がまだない。FDIは効果的な予防戦略を通じて虫歯で起こる痛み、苦痛、さらには歯の喪失から住民を守ることにコミットしている」と述べている。
ポーランド・ポズナニでの年次世界歯科学会議(Annual World Dental Congress、9月7-10日)で打ち出された白書は、歯科医が虫歯の管理について回復を目指すアプローチから予防歯科医学の提供に集中したアプローチにどうすれば転換できるかの概略を説明している。また、これは分離して行うことができないことを強調して、全住民規模の予防戦略(例えばフッ化物の利用可能性、砂糖入りの食品・飲料に対する課税)を実施するよう政策立案者に、時代遅れの報酬モデルを変更させるよう第三者支払者に呼び掛けている。
白書の共同執筆者であるナイジェル・ピッツ教授は「口腔衛生は基本的な人権なのに、この負担を管理するのに必要なシステムが存在しないために世界で39億人が口腔疾患にかかっている。われわれはこの白書で虫歯に対する証拠ベースのソリューションの概略を説明した。これらは口腔衛生専門家が最高のケアを患者に提供できるようにするため、臨床、政策レベルで緊急に行動に移さなければならない」と語っている。
Colgateのマーシャ・バトラー副社長(グローバル口腔ケア)はさらに「虫歯予防提携のサポートは光栄であり、この提携は高品質の教育資料の提供に加えて2つのFDI Smile Awards(FDIスマイル賞)の授与を通じて国家レベルで虫歯の負担に対処するというFDIメンバー協会による革新的なプロジェクトをたたえている。今年の受賞者はパレスチナ、カンボジアの歯科協会員であり、2017年にはプロジェクトをさらにサポートするつもりである」と述べている。
白書の結論は、口腔衛生共同体と政策立案者はともに以下のことに緊急にコミットしなければならないことを示唆している。
*個人、住民の両レベルで虫歯予防努力をサポートすること
*虫歯管理方針の転換をはじめること
*虫歯学カリキュラムを促進すること
*保健政策全体のなかで口腔衛生のより強力な統合を目指す努力をすること
*虫歯の予防と管理に対する報酬の再考への参加
*データ主導、証拠ベースの虫歯の予防と管理
共同執筆者のドメニック・ゼロ教授は「歯科医界の多くのグループ、組織はこれまで約20年にわたって、より効果的な虫歯予防と健康な歯の構造の保護に向けた動きを求めてきた。いまや話はやめて実行を開始すべき時だ。白書はこの努力で役に立つツールになるはずである」と強調している。

2016年9月7日 共同通信より

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