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地元、生活に密着するライオンの社食

[2012.08.07]

今年5月に開業したばかりの東京スカイツリーが間近に迫って見えるライオンの本社ビル。取材日当日は曇りで、雲から頭の先を出した巨大な東京スカイツリーが悠々と構えていた。オーラルケアなど生活に根付いた商品の開発を手掛けるライオンの歴史は、1891(明治24)年に東京神田で創業した「小林富次郎商店」から始まる。その後、墨田区に本社を構えるようになると周辺に工場も建ち、次第に地域との交流が生まれた。ライオンと言えば墨田区。そんな思いの一端を感じることが出来るのが、社食の「すみちゃんカレー」だ。本社ビルは、地下鉄蔵前の駅から隅田川を渡ってすぐ。周辺に高い建物の少ない中で、緑色の「LION」のロゴは一際目立って見える。「外勤の場合を除いて、ほとんどの社員が昼食には社員食堂を利用していますよ」と話すのは、同社コーポレートコミュニケーションセンターの森大紀さん。本社ビルで作られる社食は1日に700~800食だという。メインメニューは、麺類、定食など毎日4食。これに7~8種類用意された小鉢をひとつ選ぶことができる。メニューの中でも人気があるのが「すみちゃんカレー」。「すみちゃんカレー」の“すみ”は墨田区の“すみ”で、もともとは墨田区役所の2階にある「茶屋cafeあづま」で、食育と街作りの一環として開発されたメニューだった。相撲部屋の多い墨田区にちなみ、和風だしであること、ちゃんこ鍋のように根菜が多く入っていることが特徴だ。地元で浸透しつつあった「すみちゃんカレー」が同社の社食に導入されたのは昨年夏から。民間企業の社食に導入される初めての事例となった。きっかけは、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所の歯科衛生士がライオンの地元である墨田区での歯科衛生活動を通じて「すみちゃんカレー」の存在を知ったことだった。「墨田区にあるライオン」という思いと、「社員に、よく噛むことで改めて歯の大切さを感じて欲しい」という思いから、歯科衛生士が、給食業務を担当するライオンビジネスサービス(株)の飯塚克己さんに話を持ちかけ、導入が実現することになったという。

2012年8月7日WEDGEより

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