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骨芽細胞の移動能力低下も=骨粗しょう症の原因-東京医科歯科大

[2015.12.01]

骨の量が減り折れやすくなる骨粗しょう症は、骨を作る骨芽(こつが)細胞が、骨の壊れた場所に移動する能力が低下して起きる場合があることを、東京医科歯科大の野田政樹教授や江面陽一准教授らが30日までにマウスの実験で解明した。論文は米科学アカデミー紀要電子版に発表される。骨は、破骨細胞が古いものを壊した後へ、骨芽細胞やその前段階の細胞が骨髄から移動して新たに作る代謝を繰り返し、維持されている。骨粗しょう症はこの破壊と形成のバランスが崩れて起き、女性の高齢者に多い。野田教授らは、骨芽細胞で「Nck」と呼ばれる遺伝子が生み出すたんぱく質が、移動に不可欠な役割を果たしていることを発見。このたんぱく質がないと骨粗しょう症に至ることを明らかにした。骨粗しょう症の治療には、破骨細胞の活動を抑える「ビスホスホネート」や骨代謝を促す副甲状腺ホルモン(PTH)が使われることが多いが、長期間使うと副作用が生じる。野田教授は「骨粗しょう症の詳しいメカニズムを解明し、新薬の開発につなげたい」と話している。

2015年12月01日 時事通信社より

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